安産祈願

安産祈願(あんざんきがん)・初宮詣(はつみやもうで)/御宮参り(おみやまいり)の御案内

子供にとって母親の存在はかけがえのないものです。約10ヶ月もおなかの中で育て、そして大変な思いをして産むのですから母親と子供の関係が特別である事は当然といえば当然の事なのかもしれません。胎児が母体の状態によって大きく影響を受ける事はよく知られていますが、母親や父親が穏やかな気持ちでいれば子供も安心するという関係は、胎児の時から既に始まっているといえるでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは、目を大きく見開いてまるで自分の父母を確かめるかの様に前にあるものを一生懸命見ると言われています。そんな赤ちゃんをかわいいと思う母性は子供の成長にとって重要である事はいうまでもありません。赤ちゃんにとって生まれた瞬間から既に母親との人間関係が始まり、そのしっかりとした結びつきが満たされ、さらに父親や御家族の役割も加わる事で人間関係はもっと広がりを持ち始めます。この家族という輪の中で成長する子供は外界への興味を募らせ、他者とのつきあい方を習得し始めるのです。そうして社会の人と人との繋がりを広げ、深めていく中で多くの人々に支えられて成長していきます。たとえ核家族化が進んでもその基本は変わりません。大人になれば社会や周りの方がいる協同体の中で生活をしなければなりません。

古来より日本の人々の暮らしは地域社会という共同体に守られ、どこかの家の子供が生まれれば産飯(うぶめし)を炊いて神様に供え御祝をし御親戚や近所の人に振る舞うなど、そこには神様からの授かりものとしての新しい生命に感謝する心が込められていました。どの家の子供も村の子供として大切にされ、時には厳しく時には優しく多くの人の力で愛情豊かに育てられたものです。よく『七つまでは神の子』とされた子供達は様々な人生儀礼を通して社会という共同体の一員となっていったのです。

昔から私達の祖先は、人生の節目に子供の成長や家族が健康で幸せである事を願い御祝いをしてきました。御懐妊や御出産の際には、氏神さまへ御参拝をしお祓いをお受けになり、御家族皆様で明るく健やかな日々をお過ごし下さい。

安産祈願

子宝に恵まれた事に感謝し、『妊娠5ヶ月目の戌の日(いぬのひ)』に氏神さまに安産を祈願し、『帯祝い(おびいわい)/着帯(ちゃくたい)』を行います。
帯祝いとは大切な赤ちゃんを授かった身に感謝し、子が岩のように丈夫に育ちますようにと願いを込めた『岩田帯(いわたおび)』を締める習わしの事です。古来より犬は多産で安産である事から、これにあやかってこの日に合わせお参りをします。
但し、お母さまの体調の良い日も考慮し、あくまで目安にお考え頂ければ良いでしょう。母体の安全と赤ちゃんが無事に生まれますように、神様に安産祈願を御祈願します。

戌の日カレンダー

初宮詣(お宮参り)

子供が初めて神社にお参りする初宮詣は、氏神さまに子の誕生の奉告(ほうこく)と御礼をし、今後の健やかな成長と幸せを神様に見守ってもらうようにと願いを込め御祈願と御挨拶をするものです。お母さまと赤ちゃんの体調や天候などにも考慮し、男女とも生後30日前後の最良の日を選んでお参りをされると良いでしょう。